八日目の蝉こぼれ話

映画『八日目の蝉』の希和子(永作博美)が不倫相手の子(薫)と逃げ込んだ、事情を抱えた女性だけが暮らす施設『エンジェルホーム』のシーンが、木造校舎の旧南中学校で行われました。ロケは10月上旬に数日間に渡り行われたが、ロケの時期に野菜を収穫できるよう学校の敷地内に本物の畑を耕し、準備は8月中旬から、地元の方にもご協力頂き行われました。自給自足している女性たちの施設を表現するため、美術さんによる作り物ではなく実際の畑を作り、ニワトリやヤギも現地で用意するなど細部にまで監督がこだわっていました。

また、ロケ支援で日本アカデミー最優秀作品賞を獲る作品に出会えた奇跡というか、素晴らしい作品に関わることができて、ほんとに幸運だなと思いました。最優秀録音賞を受賞した録音技師の藤本さんは、クランクアップ後にもう一度、富士見町南中学校のロケ現場に訪れ、南中学校の自然の音や床がきしむ音などを1日かけて録音していかれていました。8月から毎日畑に水やりをして下さった地元の方など、映画は本当に多くの方の見えない努力があって素晴らしい作品に仕上がるんだと実感しました。